センター試験から共通テストへのあゆみ
大学入試センター試験は文部科学省が求める英語力を反映してきました。2006年度からはリスニング問題が導入され、コミュニケーションを重視した教育に移行してきました。共通テストでは、発音問題や文法問題がなくなった一方で、リーディングの問題の増加に伴い総語数が増えました。また、グラフや表の読み取りを含む問題や議論の要点整理など、実践的な英語運用能力を測る問題が多く出題されています。リーディングの量が多いので、速く尚且つ正確に情報を処理する能力が求められています。
文部科学省はセンター試験を廃止し、大学入試での民間試験の導入にむかっていましたが、令和元年 11 月 1 日に文部科学大臣から、2021 年度(令和 3 年度)大学入学者選抜から導入予定であった「大学入試英語成績提供システム」の導入を見送るとの発表がありました。これには大学も高校も塾・予備校も混乱しましたが、いちばん困ったのは受験生です。民間試験の導入も先送りされ、試験の対策が困難になりました。
一般的にテストを受験する前にその対策をすることが高得点を狙うのには望ましいですので、このような文科省の決断は受験者や現場の教員に対しての配慮が明らかに欠けています。しかしながら、確固として高い英語力を持っていればどの様な形式の試験にも柔軟に対応できるのではないでしょうか。例えば、英検準1級を受かる英語力があれば、特に対策をしなくても共通テストで高得点を出すことができるでしょう。
英検や共通テストは純粋に英語力を測るものであるので、日ごろから出題されるレベルの英語を読んだり聴いたりして、英語の根本的な力を鍛えておくべきなのです。その上で試験の傾向を掴んだ対策は効果がありますが、根本的な英語力を満たしていない小手先だけのテクニックは通用しません。
共通テストのレベルの問題に慣れ親しむという点で、センター試験の過去問題集を20年分解くというのは大変価値があります。語彙を増やして読解力を付け、リスニング力を向上させる教材として使用しましょう。もちろん理想的にはインプットだけでなく、読み聴きしたことについて意見を交換し合うアウトプットもすることが望ましいので、その様なアクティブラーニングができる環境を持てると文科省が求める実践的な英語力が身に付くのでしょう。当塾はそのひとつであると自負しております。
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