基本理念

新しい英語塾の創造

「どうすれば英語を自分のことばとして自由に使えるようになるのか?」この質問は、私が高校生の時に自身に問いかけていたものです。日本での一般的な英語学習は、学校や塾での文法・読解の学習が中心です。そして、スピーキングの練習の為に英会話スクールに通ってみれば、いつも同じ答え方ばかりをしてしまったり、話題を上手く展開できなかったり、長い間通っていても進歩を感じられないという経験をした人達も多いはずです。

語学では総合力をバランス良く伸ばすことが大切です。英文法だけを学習しても流暢に話せるようにはなりませんし、話す練習だけをしても知識がなければ内容がうすい会話になってしまいます。学習を続けていると様々な壁にぶつかります。年齢や学習段階に応じて、効果的な指導を受けることが壁を乗り越えていくために必要なのです。

第二言語習得理論は長く研究されてきた学術分野であり、さまざまな学習方法がこれまでにいくつも発表されています。私は大学院で英語教育を専攻し、専門的に効果が高い学習方法を学びました。経験則だけではない知識を基に、中・長期のプランでのレッスンをご提供致します。

長い英語学習を経て英語講師になりました。そして、日本の英語教育業界を多岐にわたり経験して参りました。桜道英語塾では、既存の英語教育をさらに発展させた、新しい英語塾を創造していきます。


論理的に主張できる英語力

英語で自分の意見を効果的・論理的に伝えられるようになることが近年のグローバル社会では求められています。欧米圏では、それぞれの意見が尊重される文化があります。意見をする権利があり、それぞれの主張を交わすことでより良い選択をすることができるという考えがあります。反対に、「あなたはどう思う?」という風にたずねられた時に答えにつまったり、いつも相手に同意したりしていると、考えを持っていない人だとみなされてしまいます。それは学生でも社会人でも同じで、しっかりとした考えを持って意見を主張できる人は様々な場面でリスペクトしてもらえます。

それでは、日本の英語教育ではどのようにこの文化的側面が反映されているのでしょうか?

まず、昨今の高校入試や大学入試では、リーディングでは、複数の生徒がある特定のトピックについて意見を交わして結論を出すという設定の会話が出題されています。そして、英検では3~2級にも一次試験で自由英作文が導入されました。

例えば、英検2級のライティングに出題されたトピックは、「人々は環境に良い商品を購入する傾向が今後増えるかどうか」などがあります。答えるにあたって、「生活の変化・費用・継続性」の面から論理的に主張を展開しなければなりません。さらに、英検の二次試験では口頭面接で論理的に考えを述べなければなりません。

はたして、「教師1人 対 多数の生徒」のレッスンを受けて、受動的な英語力ばかりで能動的な英語力を伸ばすことが十分に取り入れられていないカリキュラムを受けて、「論理的に主張する英語力」を習得できるのでしょうか?

英語で論述する力は一中一夜で身に付くものではありません。知識と論理的思考を鍛えることに加えて、バランスの良いインプットとアウトプットをする学習が必要です。英語でのスピーキングとライティングがある程度できるようになり、基本的な文法を習得したら、その次の段階にすすんでいきましょう。アウトプットをするにあたって、作文を論理的に組み立てられるようになるために、先生からのアドバイスや添削が必要です。そして、スピーキングにあたっては、論述に慣れたトピックを、正しい発音で口頭でも伝えられるようになる練習が必要です。そして、スピーチやディスカッションに慣れていく必要があります。

残念ながら、これらのスキル育成に対応をしている教育現場は日本ではかなり少ないです。私自身は、アメリカ留学の語学学校で論述の基礎を学びました。そして、英検1級の習得のための学習が大きく役立ちました。参考書での学習のみでは限界があると身をもって感じて、通訳学校に通い始めたのもこの頃です。そして、英語を教える立場になってからは、学校現場で行われている英語の授業を見つめ直し、第二言語の習得理論に基づいた教授方法を取り入れるようになりました。

本校をご利用される方々には、私が試行錯誤しながら、着実に英語力を伸ばせた方法を伝授させて頂ければ幸いです。もちろん、努力しなければ結果はついてきません。英語学習の道に迷わないように、一緒に歩いていくようなイメージをお持ち頂けると良いかと思います。

英語が話せる、その先にあるもの。

論理的に主張できる英語力が世界に通用する英語力なのです。


速読とは精読の速度が上がり結果的に正確さを欠かずに速く読めること

慶應義塾大学名誉教授の大津由紀雄先生のご講演に参加させて頂いた際に、次のようなお話がございました。「早くから英語を学ばせれば、それだけ英語が身につくといった主張は、認知科学・言語発達の分野では根拠がない。」つまり、理解があやふやなまま外国語として英語にふれているだけでは、正しく習得できる保証はないのです。

昨今の教育現場では、英文の精読がおろそかにされており、その結果、理解が不十分なままあいまいに英語にふれている生徒さんを多く拝見致します。これは大学入試のセンター試験から共通テストへの変更点において誤って解釈していることが影響しています。


【共通テストとセンター試験の違い】

・総単語数が増加:約4200語→約5400語

・発音、文法、語法問題がなくなり長文読解問題

・すべての設問が英語


情報化社会を反映し、共通テストは大量かつ多様な情報を速く正確に処理する能力が求められる試験となっています。ここで気をつけないといけないのは、速さを重視しすぎて正確さを欠くことです。「速読とは精読の速度が上がり結果的に正確さを欠かずに速く読めること」なのです。桜道英語塾では精読を大切にしています。英文の構造を理解する上で、スラッシュリーディングで(返り読みをせずに前から)理解することが必要不可欠なのです。そして、精読した後に音読を繰り返し理解した文を習得することで、同じような構造の文に出会った時に、速く正確に意味を理解できるようになります。最終的に初見の文章でも、できるだけ日本語を介さずに英語を英語で理解できるようになれます。


【学習の過程】

精読・音読 ➡ 英語を英語で正確に理解できる ➡ 速読


速読を推進するがあまりに、精読が完了していない段階から、「和訳はやめて下さい。」「読むスピードが遅くなる。」という声を教育現場で耳にすることがあります。私の意見としては、英文解釈・和訳を精読で行い文構造と意味を理解することは、外国語として英語を学習する日本人には必要不可欠であると考えています。認知言語学の分野において、日本の英語教育の現場では、「母国語である日本語を基礎として英語を習得するのが理想的な英語学習である」という考えが主流です。

もちろんインプットだけでなく、読み・聴きしたトピックに対してスピーキングやライティングでアウトプットをして、意見を主張できるようになることも4技能をバランス良く伸ばす上で必要不可欠です。その様なアクティブラーニングができる環境を持てると、文科省が求める実践的な英語力が身に付くのでしょう。当塾はそのひとつであると自負しております。

Slow and steady wins the race.

ゆっくり着実な者が競争に勝つ。